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『バンブーコクテールより愛をこめて』

  • 一般小説

    #Bar.,#六本木,#カクテル,#ショットバー,#一人飲み,#隠れ家,#カウンター,#このバーの片隅で,#バー,#創作小説

    作品タイトル:『バンブーコクテールより愛をこめて』

    エピソード名:第8話

    作者名:shinji-kimoto

    ノンフィクション | 完結 | 16話 | 71,736文字

    執筆の意義 後書き
     カクテルとバーの起源や経緯について記録に残すという事は、未来へ繋げるべき遺産として意義のある事だと思います。
     カクテルやバーは百年くらいの歴史であるにもかかわらず、曖昧な説が多いのです。サイドカー、マルガリータ等の有名なカクテルの説は色々ありますが、それらを覆すようなエピソードが数多く存在します。酒の宴の四方山話として広まった話も沢山あるのでしょう。
     取材力の乏しい私の技量では、学術書のような正確な記録本を残すのは不可能だと悟りました。そこで例えば、日本人最初のバーテンダーといわれる人を題材にした小説を残せないかとも考えました。歴史小説となると、もっと難しいですよね。
     そもそも彼は何故、バーテンダーになったのか。そもそも人は何故、バーに通うのか。
     日本で有名なバーテンダーの方々のエピソードとして、第二次世界大戦後に偶々、食べるに困った末に洋酒に携わったという方々も多いです。それよりも以前。文明開化の明治、大正期。きっと私と同じように胸をワクワクさせながら未知のカクテルに魅了され、バーの扉を開いた先人がいたのではないかと想像できるのです。
     そこで、四十年近く洋酒の世界に携わってきた私の実体験を土台にしたフィクション小説で『人は何故、バーに通うのか』『どうしてバーテンダーになったのか』を紐解きたいと思います。
     それはきっと、未来へと繋がる道標になるのではないでしょうか。



    あらすじ  
    第一章・アドニス
    私は阿坂さんからインタビューを受ける。その時々に自分の人生とカクテルシーンを繋ぐ記憶が蘇る。
    それは、昭和が終わった年に遡る。
    忍に恋する健一。忍は世間の誹謗中傷にさらされていた。
    健一は忍と浅草での初デートに出かける。
    忍が癌になる。
    最初で最後の二人で過ごした温泉旅行。だが、忍は黙って健一の前から姿を消す。
    やがて、忍がシングルマザーで障害のある子供を産んだと聞かされる。
    動揺して心の整理がつかない健一。過去に押しつぶされそうになり、夜の街を徘徊する。
    ある日、中学時代の同級生の山口恵に会う。
    思春期の苦い思い出を、想い出す健一。
    今、目の前にいる山口恵に心が少し動く。
    そんな時、忍が老人と結婚したと聞かされる。
    健一は山口恵と結婚したが離婚。
    平成が終わった歳。健一は忍と再会。
    過去の記憶の重圧から解放される。

    第二章・ペイフォワード
    バーの風景を覗き見してみます。
    六本木の芋洗坂に移転したバーには毎夜、様々な客が訪れます。
    人生に悩む二十三歳の僕。半身が不自由になった職人風のノブさん。悩めるバブル女性。事業に失敗した男。様々な人達がバーで人の善意に触れ救われます。
    バーに存在するという幸せのカクテルは、マスターの苦い経験が生み出したものだという。

    第三章・アムール
    数十年後。
    五十歳を過ぎた忍と健一が再会する。
    心の垣根が取れた二人は惹かれあう。
    それは冷めたコーヒーのような恋だった。
    そして、アドニスカクテルの想い出からバンブーカクテルの味を進化させ、
    健一は忍の為に一杯のカクテルを作る。