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無月の水

  • 一般小説

    トリックミステリー,類別本格ミステリー,アリバイ崩し,読者への挑戦,凶器トリック,ポジティブメタファー,完読の補助付き,時代ミステリー,江戸時代,捕物帖

    作品タイトル:無月の水

    エピソード名:十二章 幕間 類別本格の読者への挑戦

    作者名:santan

    ミステリー | 連載中 | 13話 | 108,397文字

    紹介文

    ---作品の紹介---

    無月の水、山風の杭、仁鳥の杭、飛花の命は、同人誌即売会(コミックマーケット)の同人ゲーム部門にて発表していた作品である。
    江戸時代を舞台にしたトリックミステリーとなっている。なお、作品内の文体は、横溝正史氏の捕物帖作品をベースに、現代につうじる言葉遣いまでさげている。時代小説ほど、むずかしくはしていない。

    この花鳥風月シリーズは、作品内の幕間が示しているとおり、いまの時代から江戸時代を物語っているという構成(神視点寄りの三人称)をとっている。
    ゆえに、会話の最中でも、江戸時代の風習や専門用語を説明する地の文をいれている。江戸時代だと名字のない身分差の問題もあるが、全員にあだ名を用いることで、現代文へとちかづけている。

    ひとえに、読みやすさを確保するためだ。

    これは、現在の市場では廃れてしまったと言える時代ミステリー、捕物帖の良さ(このジャンルは、100年ほどまえ、シャーロックホームズを参考に岡本綺堂がつくりあげた)を読者に伝えるためである。
    こういうジャンルがあるということを、より周知させるためである。

    市場のトリックミステリー(最終場面にて、合計三つ以上のトリック・リトリックが開示されるものと定義)に、江戸時代を舞台にした作品は、ほぼ、存在しない。だからこそ、江戸時代を舞台にした高頻度のトリックミステリーは希少価値が高い。将来性があると考えた。
    むろん、トリプルアクセル級の高難易度である。

    わたしはご存じのとおり、自作品に一定の縛りを与えるタイプである。それはスタイルだけではない。シナリオ内にも強制化の要素がある。

    掲載済みの最愛シリーズでは、観光地巡りと告白シーンをいれていた。
    この花鳥風月シリーズでは、トリックや動機の根幹に、江戸時代特有の風習・道具・背景をかならず、盛りこんでいる。

    最終章、犯人やトリックを知ると同時に、時代物の知識が身につくという構成にしている。
    作者なりのサービス精神である。

    トリックミステリーを好む者は、基本的に知的好奇心の強い者が多い。
    そういった方々に、より楽しんでもらいたいからである。

    類別本格ミステリーは、三答制、類別ミステリー集成、三位十塔、十三位不文律など、市場にない、あたらしいトリックミステリーの形をとっている。一般書籍には存在していない手法である。この試みは構成以外にも、あらわれている。
    ミステリーの前提ジャンル/サブカテゴリーに対し、新奇性を導入している。

    最愛シリーズでは、ゼロ年代のナイトサスペンスがテーマである。いわゆる、火曜サスペンス、土曜ワイド劇場テイストだ。ゼロ年代のサスペンスドラマは、現代のミステリードラマよりも、テーマが細分化(観光、恋愛、職業、温泉)しており、様々な層から、人気を博していた。いまは、放送すらしていない。

    このテーマの人気を再興するべく、最愛シリーズでは、サスペンス展開を主軸に、当該ジャンルの定番である観光地巡り(殺人事件の合間に巡る有名スポット)と恋愛場面(主人公とヒロインの恋愛模様)を、挿入していた。入浴シーン、現地の刑事、食事シーン、執筆描写、第一発見者、後日談なども同様の意図だ。

    いっぽう、花鳥風月シリーズでは、その縛りが江戸時代の風習・道具・背景になっている。

    無月の水では「夏にまつわる水騒動」、山風の杭では「冬にまつわる行事」、仁鳥の餌では「春にまつわる動植物」、飛花の命では「秋にまつわる遊郭」からはじめて、最後の場面では、さらに、ふかい江戸時代の知識にふれている。不束三探サスペンスも未堂棟の示唆開眼も、両者の進化・発展を目指した作品群となっている。

    成功するとは思えないが、不束なりのチャレンジである。
    もちろん、トリックの多いロジカルミステリーは、万人受けするものではない。一定の読みにくさは避けられない。その点は努力するものの、対策として、読者の背中を押す他要素を用意している。それがミステリーガイドブックだ。

    ゲームにおけるナビやマーカーに値するものである。なにが起きていて、どのとき、どこへと進んでいくのかをあらかじめ、確認できる。
    本編を読むまえに、ミステリーガイドブック内の甲乙丙丁に目をとおしていただけると、作者としては、つくりあげた甲斐がある。

    それでは、不束な作品ですが、よろしくお願いします。

    ---あらすじ---

    ミステリーガイドブックの読了を推奨している。より精度の高い概要を用意している。不束三探の作品群では、完読補助として、すべてのあらすじとすべての答えを用意している。
    その完読補助は四段階にわかれている。
    (甲)六点リーダー、(乙)パラグラフリーディング、(丙)類別ミステリー集成、(丁)三答制の開示、この四段階になる。

    解明度(ネタバレ)は、甲乙ほど低く、丙丁ほど高くなる。
    決定的な犯人の名前、動機、トリックの具体性は、甲乙の段階ではふれないようにしてある。丙丁では逆に、すべての謎を開示している。
    あらかじめ、丙丁の両方を読めば、すべての謎を知ることができる。
    理解度をふかめた状態で読み進めることができる。

    トリックミステリーを読み慣れている人は甲、読み慣れていない人は乙、すべてを理解してから読みたい人は丙丁を一読することがおすすめである。
    なんにせよ、読者に完読してもらうことが、わたしの最大の望みであり、喜びである。

    そのために、いかなる努力も惜しまない。

    ---おおよその投稿スケジュール---

    三答制(伏せ字)
    序章
    完読補助の六点リーダー
    完読補助のパラグラフリーディング
    以下、各章後に完読補助の繰り返し
    一章
    二章
    三章
    四章
    五章
    六章
    七章
    八章
    九章
    十章
    十一章
    十三章
    三答制(開示)
    叙述曲
    類別プロット表
    類別ミステリー集成(全説明)
    三答制の詳細開示

    ※十二章、幕間の六点リーダーとパラグラフリーディングはつくっていません
    ※花鳥風月シリーズ、共通の文章の予定です。